「東京大学制作展2024 付いて離れて」(11/7~11/11本郷キャンパス内にて開催)に展示された画家・真田将太朗さんの作品「Area of Landscape」の制作に携わりました。
真田さんは東京大学大学院学際情報学府で人工知能による表現の拡張について研究しながら画家としての制作活動を行っており、今年7月にGINZA SIX 銀座蔦屋書店で開催した個展では瞬く間にすべての作品が売約となった新進気鋭のアーティストです。
「立体作品としては過去最大」という今回の作品で、当社は設計・施工・照明・映像機器設置を担当しました。
人間とAIの共存
真田さんは「研究内容と画家としての活動の2つを掛け合わせ、展示の形で表現することにこだわった。観客を巻き込むインタラクティブな美術展示はこれまでもあったが、鑑賞者が抽象画の中に没入するという点で他にはない試みができた」といい、ご自身のSNSでも大きな反響があったそうです。
「現在の人口知能は膨大なデータの中からその理想的な平均値を見せることに優れている。人間の良さは”外れ値”だと考えていて、作品制作でも外れ値をつくり続けることでAIと人間が共存する新たなアートが生まれる」と考える真田さんは今回の昭栄美術とのコラボレーションについて、「施工業者と組んで作品を制作するのは今回が初めて。設計段階で空間デザイナーの水野さんと意見交換を重ねて、イメージを図面に落とし込んでいくやり取りが楽しかった。最終的に自分がイメージした通りにしてもらって、さすがだなと思った」と感想を語ってくれました。
作品を際立たせる空間デザイン
今回の空間デザインを担当したクリエイティブ部・スペースデザイン課の水野智仁デザイナーは「真田さんのイメージする抽象絵画への没入感と作品を際立たせる空間デザインをサポートした。作品が目立つように、作品以外は構造物としてデザイン。外側の構造物を立体的イメージでデザインにすることで存在感を出し、作品の面に目が行きやすく、作品が際立つ空間デザインにした。中に入らないと作品が完成しないため、鑑賞者の誘因を目的に絵画部分以外は素地で構成。そうすることで、作品に目が行き、中に入ってみたくなるようにデザインを工夫した」と振り返ります。
「仮組み検証の際にベイスタジオに行って大型の3Dプリンターや印刷機、表面に凹凸のある特殊印刷の手法を目にして、新たな作品づくりのアイディアが湧いてきた。ぜひまた他のプロジェクトでもコラボレーションしたい」という真田さん。来年の春に開催予定の個展では今回の作品を一部ブラッシュアップして展示する予定です。
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真田 将太朗 公式サイト